おおむらさきの日記

読書と映画、生活いろいろ日記

【読書】『少女のための海外の話』著:三砂ちづる

『少女のための海外の話』読んだよ日記です。

 

地元図書館にて、ティーンズ向けの本棚に置いてあり、気になったので読んでみました。

 

章立てはこんな感じ。
1章 海外へ行く準備
2章 役に立つ持ち物
3章 外国語の学び方
4章 海外で支えになるもの

 

2章では、

ビザの説明から始まり、

飛行機での過ごし方、

空港ではロストバゲージすることもある、

初めて行ったアフリカで暑いと思い込んでいたら結構寒かったよ、手荷物には必要最低限のものを入れておこうね、……みたいな話などが書かれている。


このような基本的なことも、エピソードも混じえながらやさしく語りかけられるように書かれていて、新鮮。
読みながら海外に飛ぶことのロマンを改めて感じる。空港でぶわ〜っと異国の風を感じる時のような。

 

少女のための海外の話

少女のための海外の話

Amazon

 

タイトルに「少女のための」とある通りだが、筆者が母子保健の専門家というのもあり、

海外に行ってみたいという夢を抱いている女の子には、初めの一冊としてちょうど良い本かもしれないね、と思いながら読んでいた。

 

 

「月経血コントロール」?

ただ、ちょっと気になったところを一応書いておこうと思う。

同じ章には「海外で生理になったら?」という節がある。
そこには海外で生理用ナプキンが手に入らなくても大丈夫、ということが書いてあり、

で、覚えておくといいから紹介しておくね、という感じで言及されているのは「月経血コントロール」というもの。
それというのは、なるべく「意識」して、「出そう」になったら、「できるだけトイレで出す」というもの、らしい。

ほお………。


続けて筆者が指摘しているのは、普段ナプキンを当てている=月経血が「垂れ流し」状態である、ということ。

 

垂れ流し…?まあ確かにそうだけど…と、初めて聞く私としては新鮮な指摘だったが、

ちょっと正直に言えば、耳慣れないがゆえに、なぜこれをティーンの女の子向けの本に?と疑問符がついた部分も否めない。

個人的に、近代化以前の身体の使い方の良さを説く言説って、な〜んかアレルギーがある(特に江戸とか)。私の場合、どっかのイデオロギーとなんか結びついてるのか?みたいに怪しんでしまう傾向があるみたいだ。

 

 

で、「月経血コントロール」でググってみたところ、どうやら著者関係のキーワードのようだった。

これに対する批判もあるらしい。どんな内容かというと、

月経血コントロールというのはコントロールしているようで実際は何回もトイレに行かなくてはならなくなり、生理の奴隷になってしまう、みたいなもののようだ。

私はこのことについて、このコントロールをするのが良いのかどうなのか、よくわからない。

したところで害は無さそうだけど、この辺りは著者の代表作を詳しく読む必要がありそう。

まあ、海外でナプキンが手に入らなかった場合、というなかでの一応の言及ではあるけど、

ちょっと原始主義?ナチュラル思考強め?なのかなー…?みたいな印象は抱いたかな。布ナプ信仰界隈?とかもちょっと危うい感じがあるので。

 


で、本文の話に戻りますが、

筆者は、無理をする必要はない、と繰り返し説きながらも、

「そういうことができるのかもしれない、と思うだけで、月経が少し楽しみになったりするのではないか、と思います。(p104)」
「生理があった時も、毎月リズムがあって良いものでしたが、なくなったらなくなったで、はればれ広々とした気持ちで毎日を暮らしています。これも良い時期なのですが、生理があるときは女性として最も輝いている時期でもあります。どうぞ毎月生理を楽しみ、また、海外でも工夫しながら健やかに暮らしてもらいたい、と思います。(p106)」

という記述があるので、筆者にとって「生理=苦しいもの」という認識ではないらしい。


「生理を楽しみ」という筆者の主張は、私にはポジティブすぎるように思えて、ちょっと面食らった。

まあ、こういう風に受け止められる人もいるんだなぁとしみじみ思った。生理といっても個人差があるからしょうがないかもしれない。

 

でも、ティーンズの女の子には、このくらい前向きな受け止めの方がいいのかな、とも思う。だからまあ、月経血コントロールっていうのも、多分悪くないのかもしれない……と思う。

ただ、ティーンズ向けの本にこういうことが書いてあるんだ〜〜と、ちょっと面食らった、という話です。

 

 

国際協力の仕事について知りたい人は3章、4章がより参考になります。

JPO派遣の制度についてもわかりやすく書かれている。

国際機関で働くのはハードルが高いとされる我々日本語話者ですが、へえ、こういうルートもあるんだ、と思わせてくれるかも。

 

少女のための、とありますが大人にも興味深く、十分参考になる本でした。