おおむらさきの日記

読書と映画、生活いろいろ日記

【映画】建築学概論(2012)

韓国映画建築学概論』観たよ日記です。

 

2012年の映画(日本での公開は2013年)。

 

 

あらすじはこんな感じ。

建築学科に通う大学生スンミンは建築学概論の授業で音楽科の学生ソヨンと出会う。授業の課題を一緒にこなしていく課程で二人の距離は縮まっていくが、恋に奥手なスンミンは自分の想いを告白することができないまま、とある誤解から2人は疎遠になってしまう。

15年後、建築士となったスンミンのもとに突然ソヨンが現れ、「自分が建てる家を設計してほしい」と頼まれる。家を設計していく中で15年前の記憶が甦り、2人に新たな感情が生まれ始める・・・。

 

ざっくりした感想

・大学生ソヨンのペ・スジちゃん、透明感があってとってもキュート。「国民の初恋」と呼ばれたそうな。めっちゃ可愛かったです。
・15年後ソヨンのハン・ガインさん、所々堀北真希に似てる?と思ったのは私だけ?
・ペ・スジはあえて大学一年生らしくノーメイクっぽいメイクとややもっさりした衣装でしたが、対するハン・ガインはメイクも衣装もキリッと洗練された感じで、時間の経過と女性の成長が演出されていました。
・大学生スンミンのイ・ジェフンは線が細く「一人称・僕」が似合いそうな男の子なのですが、15年経ってオム・テウンが演じたスンミンは、ちょっとゴリッとした、もはや「おじさん」な男性になっていました。
・ソヨンがスンミンに故郷に建ててもらう家はスタイリッシュで格好良かった。あの大きな窓いいですね。

 

 

切ないけど"キモい"

甘酸っぱく切ない映画と言われればそうだし、青春映画でも恋愛映画でもあるのですが、私にとってはその「切なさ」が若干「キモさ」に変換されてしまった部分があります・・・。


そもそも、回想の大学時代の話を一言で言うとしたなら、恋愛初心者の建築学科の男子学生が建築学概論という授業になぜかいた音楽学科の可愛い女子学生に一目惚れをして、運良く距離も縮まり恋を楽しむも、いざ告白しようと言うときにこれから先輩に食われるであろうという彼女を目撃してしまいショックを受け疎遠になってしまう、という話。
そして現代パートのお話は、おじさん(失礼)とおばさん(失礼)が若かりし青春時代を思い出し、感傷的になる、という話・・・。(ざっくり)
女ははじめから狙ってきてるし、男は結婚が決まっているのにも関わらず、思わず突然再会した初恋相手に傾きかけてしまう・・・。心の中はまだ若者なのね、とため息が出ます。ザ・人間の愚かさを観ているようです。

そういう感想はいいんだよ、という感想が聞こえてくるようです。ええ、小説として読んだら物語性があるし、映画として観ても映像は美しいし美男美女カップルなので楽しんで観れると思います。しかし、現実的に観てしまった私のバカ、全編通してあまりいい感情は抱きませんでした。というのも、どうしてもスンミンの婚約者の立場に同情してしまった部分があるからです。(将来自分がこういう役回りでやきもき・いらいらしそうな予感がしてしまいました。)

突然建築事務所にやってきて、ヒラのスンミンを名指しで指名し、何度も修正を求める美女・・・。結婚式は間近なのに!この女誰よ!もしかして例の初恋相手?!婚約者の夫は初めての大きな仕事&初恋相手に舞い上がってるし!

スンミンは恋愛に奥手な男子だったことから、結局ソヨンに告白することができないまま、建築学概論の講義の終わりとともにその淡い初恋をも終わらせてしまうわけですが、ソヨンはそもそも自分に向けられた好意にも気づいていたわけです(寝ている間にされたキスも本当は知っていたし、告白のプレゼントとして持ってきたスンミンの建築作品もゴミ捨て場から救出してずっと保管していた)。
その事実を何気に温め続けていて、自分が離婚したというタイミングで「どうしているかな~とおもって~」と建築士になったスンミンのところに来る美女。こういう女性、結構な脅威じゃないですか女性の皆さん。
スンミンとしては仕事の依頼だから無碍にもできない(という言い訳が成立)し、なんだかんだ実はうれしい。過ぎ去った青春の日々を再び思い出し、ともに味わう。どちらかというと男性の理想が詰め込まれている感じがします。ノスタルジーとセンチメンタル。

ソヨンも、まあ大学時代も、「一緒に課題やりましょうよ~」なんて建築学科のスンミンに近づいてるし、将来の夢はアナウンサーだし、よく言えば積極性のある女性なんでしょうけど、近くにいたらちょっと嫌かも。

ストーリーとしては結局お互いが過去の若かりし頃の恋愛を人生の一部として昇華し、それぞれの道を歩んでいくという美しいドラマなのはわかります、もっとわかろうとしたのですが・・・なぜこんなにも人気があって有名なのかいまいちよくわかりませんでした。山Pでネトフリリメイクが予定されていたようですが中止になったとか。うん、良かったと思います。